この記事を読んでくださっている方の中には、
- 「フリーターから正社員になりたいけれど、年齢が…」と悩んでいる方
- 履歴書にかける職歴がなく、正社員として就職できるか不安な方
このような悩みや不安を持っている方も多いのではないかと思います。
私は「30代職歴なしフリーター」&「履歴書にかける職歴なし」という状態から未経験職種へ正社員として就職することができました。
そんな自身の体験からフリーターから正社員への就職、しかも、ある程度労働条件の良い職場・職種へ就職する方法を解説していきたいと思います。
この記事を簡単にまとめると以下になります。
- 現時点での自分の適性・将来望む人生(目標)を考える
- 必要な行動を逆算し、中目標を設定
- 就職後のキャリアは柔軟に考えて目標修正を行う
- 就活時、スタートラインに到達する方法
私が正社員に就職するまでの経緯について
大学卒業後、私は新卒カードを捨てフリーターになりました。
周りには目指す職業があるからと答えていましたが、実際にはもっとモラトリアムを楽しみたい、というのが本音でした。
フリーターとして生活し始めて7年ほど経ったころに「あれ、もうそろそろやばいのでは…」と焦り始め、士業資格を勉強し、なんとか3年かけて合格。
いわゆる30代職歴無しフリーターという就職活動では絶望的な状態だった私ですが、現在では業界の中ではホワイトな労働条件の士業事務所で正社員として就職することができました。
では、次に私がなぜ就職することができたのか、どのように考えてどう行動したのかを具体的に解説いたします。
なぜ30代職歴無しフリーターから就職できたか
まず私が考えたのは、この2つ。
- 自分の適性について
- 今後どのような人生を望むのか(目標)
この2点は「自己分析」と言われる部分です。
きっちり定めなければ後々の面接や履歴書等に記載する志望動機などでブレが出てきてしまい、就職活動の成否に大きな影響が出てきます。
当時の私がどのように考えたのかを例にしつつ解説していきたいと思います。
自分の適性について考える
フリーター時代、接客業をしてましたが(10年続けたのに)まったく向いていませんでした。また、正社員の方の労働条件は劣悪だったため、この業界・職種は無理と判断しました。
PC関係は仕事で使用したことはありませんでしたが、ネットゲームなどで慣れていたためPCを使用する職種に適正があると考え、事務職系の仕事を目指すことにしました。
…と、上記のような流れで私は自分の適性を考えました。
ただ、「自分の適性と言われても…」と困惑する方も多いと思いますので、見つけ方を2つお教えしますね。
- 自分は普通にやっているのに他人よりできることを探す
- 親しい友人や家族に聞く
「自分は普通にやっているのに~」というのは、他人と比べて凄まじくできるなんて必要はありません。他の人は嫌がっているけれど自分は苦にならない程度で十分に適正があるといえます。
仕事のこの部分は得意だ、など小さい範囲でも結構ですので見つけてみてください。
また、「親しい友人や家族に聞く」というのは自己分析において重要です。
自己分析というと、自分自身で自分を見つめ直して~というようなイメージがありますが、実際には近くにいる人のほうが自分のことを客観的に見てくれているものなのです。
親しくない人に聞いてもオブラートに包んだ回答しかもらえないでしょうから、なるべく家族など気のおけない人に「自分の向いているものってなに?」など聞いてみるのが良いでしょう。
今後どのような人生を望むのか
フリーター時代、正社員の方のすさまじい労働環境を見ていたので「土日祝休み・残業月20時間程度」という労働条件を目標に。
収入に関しては10年フリーターをしていたのもあり、平均年収程度貰えれば及第点だな、と考えていました。(今はサイドFIRE目指していますが)
また、「選択肢がない状況」がストレスだったため、起業独立・士業事務所・企業勤めが可能な「士業」として就職することを目指しました。事務職で、自分の考える適性と合致していたことも決め手でしたね。
「ガンガン稼いでお金持ちになりたい」「将来は起業して自分の店を持ちたい」「まったり薄給がいい」など、人によってどのような人生を望むかは異なります。
自分がどのようなキャリアを歩みたいのか。人に説明できるくらい明確にしてみてください。
それが就職活動でも活きてきます。
【注意】キャリアを柔軟に考えることの重要性
実際に働き始めると、
- 自分には向いていなかった
- 思い描いていたような業界ではなかった
- 「人生の目標」が変わった
など、知らなかった自分の適性や理想と現実とのギャップに悩んだり、結婚や出産を期に「人生の目標」を変更することがあるでしょう。
私も、はじめはいわゆる薄給まったりの会社・事務所で働ければいいやと思っていましたし、お金が欲しくなったら一般企業へ転職すればいいやと考えていました。
しかし、働きはじめてから、
- もっと給料がほしい
- 一般企業は人間関係が煩わしくて自分には向いていない
など、働くまでわからなかった自分の適性や望むキャリアがみえてきたんですね。
年齢を重ねたり、結婚出産などライフイベントを経験することで価値観が変わることはよくあることです。
そういったときには柔軟に「人生の目標」を変更していきましょう。環境が変われば自分自身も変わるものですから。
ゴールから逆算して目標を設定する
自分の適性と望む人生(目標)を明確にできたら、あとは目標にたどり着くために中目標を設定していきます。
私の場合は、
- 未経験職での就職活動を成功させる
- 労働条件のいい職場に就職する
- 士業として独立開業もできる経験を積む
このような目標を立て、様々な情報から、
・未経験職&職歴無しフリーターで専門職として採用されるためには資格を取得しなければ難しい。
・大企業の方が労働条件が良いが、現時点でいきなり大企業に就職は難しい。
・士業として独立開業するためには士業事務所での経験があったほうがいい。
・士業事務所は未経験であっても資格があれば雇ってもらえる可能性は高い。
上記のように状況を整理し、
「資格取得後、士業事務所で正社員として就職 → 経験を積んでから転職」という結論に至りました。
当時の考えなので甘いところは多いのですが、大筋は間違ってなかったと思います。
フリーターからいきなり大企業に正社員として就職、というのはなかなか難しいのが現状です。
就職する職場環境だけで考えず、必要なスキルや経験を積み、段階を踏んで最終目標にたどり着く、そんなイメージで中目標(マイルストーン)を設定してみましょう。
この過程で、「自分が望む人生」を達成するために必要なもの・足りないものが明確になってきます。
求人情報から「相場」と「求められるもの」を知る
目標を立て、中目標を設定したら就職活動を始める前に求人案件をチェックしましょう。
なぜかというと、求人情報にはさまざまな重要事項が記載されているからです。
- 業界・職種の年収相場
- 求められているスキル・経験
- 就職活動で使える情報
収入などの労働条件は、本人のスキルではなくほぼ業界と職種で決まります。(参考書籍:転職と副業のかけ算)
求人情報には、年収レンジ(〇〇万円~〇〇万円など)や求められるスキル・経験が記載されており、今後のキャリアを考える上で非常に参考になります。
将来的にキャリアアップを目指すのならば、このような情報を事前に把握しておきましょう。
具体的な求人案件チェック方法
まず、自分が志望する業界・職種、希望する地域で探します。
無料で求人検索できるものとして代表的なものはハローワークやインディードですね。
とりあえず今ある案件をざっくり見てみましょう。給与や労働条件の相場・求められるスキル・経験がつかめてくるはずです。
次に、リクナビネクストなどで比較的労働条件の良い求人を見てみます。
条件の良い求人において求められている条件をリストアップしてみましょう。(資格や、~の経験○年以上など)
それが数年後キャリアアップするため身につけるべきスキル・経験です。
求人情報を見るときには、労働条件だけでなく「キャリアアップできるスキル経験を積めるか」という視点でも探してみましょう。
書類選考、面接対策としての求人情報活用法
求人情報は書類選考や面接でも使えます。というより、これを見ずに面接対策はできないのでは?というくらいです。
求人情報には、どのような人材が求められているのかが記載されています。
就職活動、採用活動はマッチングです。
どれだけ経験があっても、どれだけスキルがあっても、その職場で必要とされていなければ無駄なのです。
逆に、まったく職歴がなかろうが、スキルがなかろうが、求められている人材とマッチしていれば十分に採用の可能性はあるのです。
面接対策として必要な情報収集法
求人情報でみるべきは以下のポイントです。
- どのような企業なのか
- どんな人材を求めているのか
- 将来どんなポジションについてほしいのか
- どんなスキルを身に着けてほしいのか
例えば飲食店といっても、高級料理店からファストフードまでさまざまですよね。
どんな強みを持った企業なのか、他企業とどう差別化しているのかを明確にすることで、「なぜ弊社に応募されたんですか」という頻出質問に答えることができます。
同業他社と比べてどういった強みがある企業なのか。
どういう人材を求め、将来的にどんなポジションに就いてほしいのか。
求人情報やHPは必ずチェックし、企業が求める人物像をイメージしましょう。
【閑話】もっとハロワを活用しよう(特に職歴がない方)
ハローワークは求人情報を見るだけではなく履歴書・職務経歴書の添削や面接の練習なども無料で行っています。
就職転職エージェントでも行っていますが、「フリーターで職歴とかもないし…」と尻込みしてしまう方は存分に活用しましょう。私も使いました。
自分の住所を管轄するハローワークを検索してみると、さまざまなセミナーや職業訓練、企業説明会などについて情報が得られるはずです。
ただ、重ねていいますが求人案件については様々な媒体を利用し、幅広く情報を集めるべきですのでその点は注意が必要です。
スタートラインに立つために
以下の質問に答えられなければ、スタートラインに立てていないと考えましょう。
- 同業他社ではなくこの会社に応募したのはなぜか
- (職歴がある場合)どのような考えで前の会社をやめたのか
- (職歴がない場合)なぜフリーターとして過ごし、なぜ今働こうと考えたのか
- この会社でどのようなキャリアを目指したいのか
私も事務所の面接に出ていますが、意外と答えられない方が多いです。
今までのストーリーを伝え、志望動機について納得してもらわなければいけません。
「なんでここに応募してきたんだろう」というような人を雇う会社は(ほぼ)ありません。
自分はどのような人間で、これまでどのように考えて行動し、その結果としてここに面接に来ている。
簡単でいいので説明できますか?
社会人経験がなくても、これまでどのように考えて行動してきたのかという話からは、あなたの価値観・ひととなりが見えてくるのです。
例え自堕落な生活の延長線としてフリーターを選択していたとしても、なにかのきっかけや動機があり一念発起して面接に臨んでいる、ということを説明できれば可能性は高まるでしょう。
まとめ
○現時点での自分の適性・将来望む人生(目標)を考える
→自分はどのような人間なのか、親しい友人や家族にも聞いてみる。
○必要な行動を逆算し、中目標を設定
→いきなり大きな目標を立てては継続できない。目標を達成するために必要な過程・行動を逆算し、それを達成していく事が重要。
○就職後のキャリアは柔軟に考えて目標修正を行う
→想像と実態は違うことも。ライフイベント(結婚、出産など)で目標が変わることは大いにある。
○就活時、スタートラインに到達する方法
→自分がどのように考え、行動し、この企業を受けたのか。そのストーリーにひととなりがあらわれる。
自分の体験を交えながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
最後に、私が考えるいちばん重要なことをお伝えします。
「腐らないこと」です。
人生はうまくいかないことばかりです。理不尽なことも山程あります。
しかし、けっして自暴自棄になったり、ヤケになったりはせず、よりよい人生にするための努力を続けてください。
簡単なことではありませんが、この長い記事をきっちりと読んでいただいた方であれば実行できると信じています。
このやたらに長い記事が、過去の私のようにフリーターから脱出しようとするかたの参考になれば幸いです。
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